一流の人ほど、休まない。
人より努力して、人より働いて、人より多くの時間を仕事に使う。
そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。
しかし、日本競馬を代表するトップジョッキー、クリストフ・ルメール騎手は少し違います。
2026年9月5日、ルメール騎手はJRA年間100勝を達成しました。
しかも、これで12年連続12回目。
長い間トップクラスで結果を出し続けているルメール騎手が、その日のインタビューでこんな言葉を残しています。
「僕にとって休むことはすごく大事です」
夏の休みを挟み、フランス、イギリス、アイルランドを訪れて「すごくリフレッシュできた」と話しました。
一流の人が大切にしていたのは、休まないことではなく、しっかり休むことでした。
首位を走っているのに、休む
さらに興味深いのは、ルメール騎手が休みに入ったときの状況です。
2026年6月。
ルメール騎手はJRAで89勝を挙げ、2位に20勝差をつけてリーディング首位を走っていました。
普通なら、
「調子がいいのだから、このまま乗り続けたい」
と思っても不思議ではありません。
ところがルメール騎手は、例年通り夏休みに入りました。
そのときにも、
「休みは毎年必要ですね」
と話しています。
結果が出ていないから休むのではありません。
結果が出ているときでも、休む。
ここに、ルメール騎手の「休むこと」に対する考え方が表れているように思います。
休むことは、「仕事をしないこと」ではない
私たちは、つい休むことに後ろめたさを感じます。
忙しいときほど、
「今は休んでいる場合じゃない」
「もう少し頑張ってから休もう」
「周りが働いているのに、自分だけ休むのは申し訳ない」
そんなふうに考えてしまいます。
でも、ジョッキーという仕事は、ほんの一瞬の判断が結果を左右します。
馬の状態を感じ、周囲の動きを見ながら、瞬間的に判断する。
体だけではなく、集中力や判断力も求められる仕事です。
だからこそ、ルメール騎手にとって休むことは、仕事の反対側にあるものではないのかもしれません。
次にいい仕事をするための時間。
そう考えると、「休み」の見え方が少し変わります。
一流は「休めるときに休む」のではない
もう一つ、ルメール騎手から学べることがあります。
それは、
休みを、余った時間に入れていないことです。
仕事が全部終わったら休む。
暇になったら休む。
時間ができたら旅行に行く。
そう考えていると、忙しい人ほど、いつまでたっても休めません。
仕事というものは、一つ終われば、また次がやってきます。
だからルメール騎手は、毎年夏に休む。
2026年も、リーディング首位という状況で休みに入りました。
これは、
「時間ができたから休む」のではなく、「休む時間を先に確保する」
という考え方にも見えます。
休みも予定の一つにしてしまう。
忙しい人ほど、参考にできる考え方ではないでしょうか。
休むことは、「止まること」ではない
もちろん、たくさん働くことが必要な時期もあります。
ここ一番で踏ん張らなければならないこともあります。
だから、
「働きすぎるのは悪い」
という単純な話ではありません。
大切なのは、ずっと走り続けることだけが努力ではないということです。
走る。
休む。
また走る。
その繰り返しによって、長く高いパフォーマンスを維持できることもあります。
実際、ルメール騎手は夏の休みを経て、9月5日に年間100勝へ到達しました。
しかも、12年連続です。
一度だけ大きな結果を出すこともすごい。
しかし、長い間、一流であり続けることはもっと難しい。
そのためには、「頑張り方」だけでなく「休み方」も必要なのかもしれません。
一流は、休み方まで考えている
仕事ができる人というと、
仕事が速い人。
たくさんの仕事をこなせる人。
誰よりも努力できる人。
そんな人を思い浮かべます。
でも、もう一つあっていいのではないでしょうか。
自分が最高の状態で仕事をするために、きちんと休める人。
疲れてから仕方なく休むのではなく、次に力を発揮するために休む。
調子が悪くなってから立ち止まるのではなく、調子がいいときにも休む。
ルメール騎手の、
「僕にとって休むことはすごく大事です」
という言葉は、そんなことを教えてくれているように思います。
一流は、休まない人ではない。
休むべきときに、きちんと休み、また最高の状態で戻ってこられる人。
頑張り方だけではなく、自分なりの「休み方」を持つこと。
長く走り続けるためには、それも大切な力なのかもしれません。
以上
「一流の思考ラボ」編集長でした。
参考・出典
・JRA「開催競馬場・今日の出来事、明日の取消・変更等(9月5日(土曜))」
・netkeiba「ルメール騎手が来週から“夏休み”に 『休みは毎年必要。海外のレースに乗る予定もあります』 キングジョージ騎乗経てWASJ週に国内復帰へ 現在全国リーディング首位を独走中」
